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小笠原陶子 政治は市民のたしなみ

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12月10日一般質問しました。終わってから西山クリニックへ

通告=二宮漁港整備計画における防潮堤について
要旨
・大波の防御としての有効性と景観への影響
・防潮堤とあわせて計画されている駐車場整備の費用対効果
・財源が厳しい中で、漁業者が3件という現状下での億単位の事業を実施することの必要性

を質問しました。

議会は2時ごろ終了し、議長の差し入れのケーキを食べて、

同僚の怪我の件で、西山クリニックに同行し、事務所によってFAX・留守電・メールをチェックし帰宅。

以下は私の登壇原稿です。



通告にしたがい、一般質問いたします。
10月26日の議会全員協議会にて平成22年度予算編成方針が提示されました。
そこには予算編成の基本的な方針と考え方が記され、また、重点施策の選定についての中に、
「とくに重点的に取り組む施策・事業」として7つの項目が以下に列挙されています。

○農業の再生、漁業の復活への取組み
○梅沢海岸の整備(防潮堤の整備)
○吾妻山公園の再整備
○風致公園の整備
○ごみ処理広域化への対応
○駅南北エレベーターの整備
○新学校給食センターの整備・運営

基本方針には「不況による本格的な税収減を控え、国政においても政権交代により大幅な路線変更が計画され困難な予算編成を強いられる」と記されています。
また、「来年度は建設事業に予算が集中することにより、一般的な事務事業については大幅な見直しをせざるをえない」とも述べられています。

これからの町運営は、限られた財源をどこに優先順位をつけて予算執行するのか、今まで以上に厳しい選択が迫られると強く認識するところです。
そこで、先にあげられた7つの項目の中の、○梅沢海岸の整備(防潮堤の整備)
についてであります。
この予算編成の基本的な方針の資料配布のほかに、経済化の部長・課長・また町長から「二宮漁港整備計画の変更について」という資料と1枚の平面図を添えた説明もありました。

その説明は、19年に策定した二宮漁港整備計画基本設計を進めようとしていた矢先、19年9月の台風被害で状況が一変し、簡易な南防波堤を作るという計画でしたが、海岸保全上好ましくないとの判断で、県からの許可が下りませんでした。予算は18年度に策定した二宮漁港再整備計画は183万7,500円
19年に策定した二宮漁港整備計画基本設計は1290万円です。

そこで町は結局海の中ではなく、海に面した後背地の整備だけは進めたいとの考えに方向を変え、防潮堤だけを作る計画が打ち出されています。
防潮堤の予算についてですが、平成19年の基本設計では防潮堤だけで概算事業費が
1億1235万円です。駐車場が1千443万2千円となっています。

防潮堤計画は平面図と担当課からの口頭説明で推し量ると、
現在あるトイレの標高から1.5メートルから1.2メートルぐらいのコンクリートの堤防を、梅沢海岸線に張り巡らすこととなります。海へ行くために、その間の数か所に門扉を付けて人びとが往来する形がとられるとのことです。
そもそもこの防潮堤計画は防波堤設置とセットで、設計されているものです。
大きな波をまず、防波堤で防御し、その後方を防潮堤で止めるというサブ的な役割を求めています。それが海岸保全の観点からこれ以上、海に突起物を作れないとなって、防潮堤だけを作るということは不完全な計画です。
今度の防潮堤計画は、これから再び、波の強さや潮の流れを計算の上で、その強い波に対応できる防潮堤を作ることになると思います。
しかしご存知のように、近年地球温暖化で台風は日本国土に迫って発生し、今までにない動きをしています。実際、西湘バイパスでさえ崩してしまう大きな波が来ることを想定することとなります。すると相当がっちりした突堤で、なおかつ波返しが付く、大きな防潮堤を作らなければその設置の意味をなさないのではないでしょうか。そうなると今の駐車場のあるところからは、まったく海が見えなくなることが予測されます。
すごい、圧迫感です。昨日の一般質問で町長は、二宮町の良さは残された自然、開発されていないなつかしい景色と言っていました。また、生物多様性調査結果を受けて、二宮の自然を守っていきたいと答えられています。そこにコンクリートびっしりは、いかがなものでしょうか。
担当課に確認したところ、漁業者には説明はしているが、近隣住民にはご意見をうかがうことはやっていないとのことでした。
そこで梅沢で育った方数人にご意見を伺うと、「そんな突堤はいらない、あの浜が見えなくなるなんてとんでもない。」とのご意見でした。
そこで、景観を重視して低い突堤を作ったとしたら、それは意味を成さないですから、ないほうがましということになります。
茅ヶ崎海岸では今年の台風18号のときは、海岸から3メートルぐらいの高さにある漁業組合の南側にある、広いウオークボードの広場が、高波が持ってきた砂でいっぱいになったそうです。
自然の力のすごさを実感します。現在の五ツ浦漁場近辺は元が砂地ですから、波があがってきて砂が来ても自然に任せれば済みますが、なまじコンクリやアスファルトで固めるとその管理がかえって、お金がかかるのではないかとも危惧いたします。
海岸に構造物を作る場合は、十分な調査研究が必要です。中途半端な構造物はかえって危険ではないかと心配です。
この防潮堤を含めた海岸の整備についてここまで、申し上げたことをもう一度、まとめますと、
一つは、大きな目的である大波の防御としてはたして有効なものができるのかまた、景観が台無しになるが、その、自然な景観の価値が低下することをどう考えるか。
二つ目は、防潮堤整備を条件とした駐車場の整備をすることは費用対効果がみこめるのか。
三つ目は、二宮町は京浜地区のベッドタウンとして成り立っている町、サラリーマンが圧倒的多数を占めている町として、大変財源が厳しい中3件の業業者のために億単位の予算をつぎ込むことになるが、それが公平な税金の運用と考えるのか伺います。

最後にもうしあげますが、昨日の神保議員の質問に対し、町長が答弁の中で
「神保議員はよそから嫁に来たからわからないとか、二宮町で育っていないから解らない」という言い方をされていましたが、それは不適切な言い方です。現在の二宮町は、よその自治体からの転入者が半数を超えています。頭を切り替えてください。よろしくお願いいたします。
by toko-toukon | 2009-12-10 23:09 | 二宮町の海に関すること